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日本製紙㈱と木質由来の成分リグニンを用いた環境配慮型の顕色剤を開発

当社は、日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野沢 徹、以下「日本製紙」)と、感熱紙用の薬品である顕色剤について共同研究を行い、木質由来成分であるクラフトリグニン(※)を用いた新しいバイオマス顕色剤を開発しました。
※クラフトリグニン:パルプの製造工程で抽出された黒液に含まれる主成分

クラフトリグニンは食料と競合せず持続可能なバイオマス原料として注目されており、近年では合板用接着剤などの用途で需要が高まっている素材です。当社はコア技術である界面科学と長年製造販売してきたビスフェノール系顕色剤で培った評価技術を活かし、日本製紙との共同研究によりクラフトリグニンを顕色剤として実用化することに成功しました(製品名:トータスKT-1065)。従来の石化由来顕色剤と併用が可能で、開発品を一部使用した感熱紙は、リグニン由来の茶色味を帯びた木質調の風合いを持ちます。

感熱紙は、レシートやラベル用紙として日々の生活で広く使われています。レシートは広告やクーポン印字、軽減税率やインボイス制度導入を追い風に情報記載量の増加を続けています。またラベルも好調なネット通販に支えられ物流向けを中心に需要拡大が予想されております。開発品を世界に広く展開することで環境への配慮に貢献して参ります。

当社は今後もEHD(「環境/Environment」「健康・衛生/Health」「先端材料/Digital」)分野への貢献を開発コンセプトに掲げた製品開発を推進し、サステナブルな社会実現に向けて社会課題の解決に挑戦していきます。

■トータスKT-1065(褐色粉末状)

KT-1065_1.png

■開発品を利用した用途例

KLE.png

■参考情報
 日本製紙 Webサイト お知らせ「【新製品情報】木質由来の成分リグニンを用いた環境配慮型の感熱紙 」(外部サイトへ)


関連リンク

・イノベーションストーリー「世界初!UV硬化型インクに対応。触媒の作用が、古紙再生の力に。」
 https://www.nicca.co.jp/productinfo/develop/pulp/uv.html
・トピックス「当社特許「キャタライザー型脱墨剤」が近畿経済産業局長賞を受賞」(2022.11.02)
 https://www.nicca.co.jp/topics/product/766.html
・事業・製品情報 >特殊化学品
 https://www.nicca.co.jp/productinfo/pulp.html