01:現場密着型アプローチ
当社の営業員、研究員が直接お客様の現場に足を運び、実際の使用状況を確認し、課題を把握します。机上のデータだけでは見えない「現場の真実」を肌で感じ、お客様と共に科学的な知見をもとに問題解決に取り組みます。何度も改善を重ね、諦めることなく情熱を持って挑戦し続ける社員の姿勢が、お客様との深い信頼関係構築につながっています。
"界面カガク"を基盤とした 当社は、コア技術である"界面カガク" を基盤に、界面活性剤をはじめとする革新的な製品を開発・提供し、繊維、化粧品、紙パルプ、金属、電子材料など幅広い産業分野に貢献しています。 『顧客現場発イノベーション』の基盤は、コア技術の"界面カガク" 通常の製品開発では、ラボ(研究室)での研究開発によって製品化され、そのままお客様に納品されることが一般的です。しかし実際には、現場で使用する設備や原材料、環境条件などの違いにより、ラボで確認された効果が、現場では十分に発揮されないケースが多々あります。また、同じ製品を用いたとしても、お客様の現場ごとに出てくる課題はそれぞれ異なります。 当社は、様々な界面*をコントロールする機能を生みだす技術を得意としています。物質的側面(化学)のみならず、物理的側面含め多面的にお客様の現場での状況を理解(科学)し、製品の機能・性能を最大化、お客様の問題・課題解決に繋げるこのコア技術を、私たちは独自に"界面カガク"と呼んでいます。これが『顧客現場発イノベーション』を強力に支える基盤となっているのです。 『顧客現場発イノベーション』とは 『顧客現場発イノベーション』は、創立以来の企業理念"製品を売るにあらずして技術を売る"を具現化したアプローチです。これは、単に製品を提供するだけでなく、その製品がもつパフォーマンスをお客様の現場で最大限に引き出すため徹底的にサポートする姿勢、またそこで培ったノウハウを新たな技術・製品開発に繋げていくことを表しています。 "製品を売るにあらずして技術を売る" についてはこちらをご覧ください 『顧客現場発イノベーション』3つの特長 01:現場密着型アプローチ 当社の営業員、研究員が直接お客様の現場に足を運び、実際の使用状況を確認し、課題を把握します。机上のデータだけでは見えない「現場の真実」を肌で感じ、お客様と共に科学的な知見をもとに問題解決に取り組みます。何度も改善を重ね、諦めることなく情熱を持って挑戦し続ける社員の姿勢が、お客様との深い信頼関係構築につながっています。 02:"界面カガク"によるソリューション提供 当社のコア技術である"界面カガク"の知見を活用し、お客様の現場で得た情報をもとに最適な解決策を導きます。世の中の製品が高度化している今、お客様が抱える課題はますます複雑化・多様化していますが、80年以上にわたり蓄積された膨大なレシピやノウハウを応用し、迅速かつ的確なソリューションを提供することができます。"界面カガク"から生まれた製品は、高付加価値製品として国内外のお客様から高い評価をいただいています。 03:持続的な協働関係 お客様の課題解決に寄り添うパートナーとして、長期的な視点で価値を提供します。この継続的な関係性により、お客様のニーズをより深く理解し、新たな課題にも迅速に対応することが可能となります。さらに、この協働を通じて得られた知見が、次の製品開発や技術革新にもつながっています。 お客様からは「ここまでやってくれるのは日華化学だけだ」「引き出しも多いし、技術の信頼度もある」「ここまで研究員が前面に出てくる会社は少ない」などの評価をいただいています。 これらの特徴が相互に作用することで、『顧客現場発イノベーション』は単なる製品提供を超えた グローバル展開における『顧客現場発イノベーション』 海外売上高比率(化学品事業) NICCA VIETNAM CO.,LTD.の事例 ベトナムの繊維加工市場では、中国系・韓国系・台湾系など外資系大手加工場が強い競争力を持っています。 このような中、NICCA VIETNAM(以下、NVN) は「グローバル連携を活かしたソリューション提供」を実践することで、お客様であるこれらの加工場と深い信頼関係を構築し、繊維化学品事業を拡大してきました。2004年の設立以降、着実に成長を重ね、現在では市場での確固たる地位を築いています。 『顧客現場発イノベーション』の具体的成果 世界の繊維加工市場は今、大きな転換期を迎えています。環境保護や大量廃棄問題への意識の高まりや、生活・購買様式の変化等により、加工量の適正化と加工方法の見直しが進んでいます。さらに、リサイクル素材の利用拡大に伴い、 新たな製品開発への需要が拡大しています。 創業時から繊維加工を生業としてきた当社は、この変化を先取りし、環境に配慮した製品開発を最優先課題として取り組んできました。 その結果、先進的な大手繊維加工場を中心に採用が進み、国内シェア1位、グローバル市場でもトッププレイヤーの一角として高い評価を獲得しています。市場は緩やかな成長が予測される中、今後も変化に対して適切かつスピーディに対応し、持続可能な社会の実現に貢献しながら、事業の成長を追求していきます。 繊維化学品事業についてはこちら 環境配慮型製品の代表的な一例が、「フッ素フリー系撥水剤『ネオシード』」です。従来主原料として使用されていたフッ素を使わずに、高い撥水性と柔軟な風合いを両立したこの製品は、2017年に近畿地方発明表彰「文部科学大臣賞」、2020年に米国で権威ある「2020 R&D 100 Award」を受賞するなど、各方面から高い評価を獲得。世界的な大手アパレル・スポーツ・アウトドアメーカーにも採用されています。世の中の環境意識が高まり、フッ素フリー系撥水剤の市場規模は今後益々拡大していく中、「高機能」かつ「サステナブル」な製品開発力で世界をリードしてまいります。 ネオシード開発ストーリーはこちら 従来人工皮革には有機溶剤を用いたウレタン樹脂が使用されてきましたが、当社の開発した「人工皮革用水系ウレタン樹脂」は有機溶剤を含まず、柔軟な風合いや強度の付与を実現。拡大する世界市場でシェア1位を獲得しています。この技術が評価され、経済産業省より2020年度版「グローバルニッチトップ企業100選」に認定されました。世界的な大手自動車(カーシート)・アパレル(衣類・鞄・シューズ等)・インテリア(ソファ等)メーカーに採用されています。 水系ウレタン樹脂についてはこちら 世界の半導体市場は、生成AIなどにより今後益々成長が期待される分野です。グループ会社の大智化学産業では、デジタルデバイス用部品に使用される半導体や水晶振動子などの生産で、"切る・削る・磨く・洗う"工程に欠かせない製品を開発・製造しており、中でも半導体シリコンウェーハ用の「水溶性クーラント剤」に関しては圧倒的世界シェア1位を誇ります。2000年頃、ウェーハの小型化や環境対応意識の高まりなどにより業界は大きな転換期を迎えました。当社ではお客様の現場に幾度と足を運び共に課題に向き合い、改良を重ね、当時主流とされていた油系から水溶性への切り替えをいち早く実現しました。加えて、業界唯一の資源循環型ビジネスモデル*により、お客様のゼロ・エミッション達成に貢献しています。電子材料の更なる小型化や高精密化と合わせて多様化するニーズに応え続け、より快適で便利な未来を創造します。 大智化学産業㈱ホームページはこちら 繊維加工で培った技術を応用展開し、当社は国内のクリーニング店で使用されるクリーニング用薬剤も手掛けており、このホームクリーニング用薬剤市場でシェア 1 位を誇ります。さらに、インバウンド需要の拡大に伴い成長するホテルや病院でのシーツ、おしぼり等を洗うリネンクリーニング市場でもトップレベルの評価を獲得し、 国内業務用クリーニング市場全体で確固たる地位を築いています。高機能な製品だけではなく、お客様のデジタル化を促進する薬剤供給管理システムも合わせて提供することで、業界ニーズに応え続けています。 クリーニング事業、薬剤供給管理システムについてはこちら 世界的なペーパーレス化が進む中でも、紙・パルプ市場は環境意識の高まりと技術革新により、再生可能な資源としての重要性が増しています。当社は、古紙リサイクルに欠かせない脱墨剤などを中心に、長年トップレベルのシェアを維持してきました。これまで困難とされてきたUV硬化型インクが使用された雑誌やパンフレット等の印刷物の古紙リサイクルを、世界で初めて可能にした革新的な「キャタライザー型脱墨剤」は、令和4年度近畿地方発明表彰「近畿経済産業局長賞」を受賞しました。この分野で培った知見や技術力を武器に、日本国内だけでなく、世界の産業資材向けパルプ加工市場にも事業領域を広げていきます。 キャタライザー型脱墨剤開発ストーリーはこちら 繊維を洗う技術を毛髪に応用し始めてから40 年以上、美容室市場向けに商品を提供しています。その間、毛髪のプロフェッショナルである美容師様と共に徹底的に「毛髪を科学」し、研究を重ねてきました。この努力の成果として生まれたレシピは 3,000 以上に達し、一人ひとり異なる髪の悩みに応える高品質な商品を数多く生み出してきました。その技術力はお客様からのリピートという形で高く評価されています。この強みを活かし展開したODM 事業においても、今や業界大手の一角を占めるまでに成長しました。髪や頭皮に対して悩みを抱える方は多くいる中、当社の市場シェアはまだ小さいものの、それは成長の余地が大きいことを意味しています。 2027 年には新工場が稼働予定であり、これを新たな契機として国内外、特にアジア市場において、高い技術力を活かす場を広げていきます。当社は、ヘアケア業界においてさらなる革新を追求し続けます。 化粧品事業についてはこちら当社の強み
『顧客現場発イノベーション』
しかし、当社の真の強みは製品そのものだけでなく、その開発プロセスにあります。『顧客現場発イノベーション』と呼ばれる独自のアプローチを通じて、お客様の現場に直接足を運び、実際の使用環境での課題を把握し、最適なソリューションを提供しています。 この姿勢により、80 年以上にわたりお客様からの厚い信頼を獲得し、膨大な経験と知見を蓄積してきました。この姿勢はグローバル展開においても同様であり、9 つの国と地域 16 拠点で展開する海外事業の成功を支えています。
この章では、当社の競争力の源泉である『顧客現場発イノベーション』について詳しくご紹介します。
当社では、ラボでの開発で完結せず、研究員がお客様の現場で実際の使用状況を確認し、そこで発見された課題をラボに持ち帰り、改善を重ねるサイクルを構築しています。この過程では、化学の知識だけでなく、お客様の現場を深く理解するための物理学や環境科学などの幅広い科学的知見も求められます。当社の研究員は、これらの知識を踏まえた総合的なアプローチを実現しています。
*物質の表面や異なる物質同士の境界面(例:空気と水が接する表面、水と油が触れ合う境目)
トータルソリューションを生みだし、当社の競争力の源泉となっています。
日本国内で生産する製品の品質は世界的に高評価ですが、海外で同様の製品品質を実現することは容易ではありません。 日華化学は現在、海外での売上高が約半分を占めており、化学品事業に絞るとその比率は約6割となっています。9 つの国と地域で 16 拠点を持つ当社の強みは、"界面カガク"を基盤とした『顧客現場発イノベーション』を海外でも同様に実践し、日本品質の製品・サービスを提供し続けていることです。 ここでは、 海外グループ会社の中でも近年成長が著しい日華ベトナム(NICCA VIETNAM CO.,LTD.)の事例をご紹介します。
例えば、ベトナムに加工場を持つ台湾系のお客様の場合、キーマンに対しては台湾日華からの出向社員が、加工現場で働くベトナム人スタッフに対してはNVNのベトナム人社員が対応します。各国の言語でコミュニケーションを取ることで、ニーズをより正確に理解し、現場の課題に即したソリューションをスピーディに提供することが可能となります。 また、各拠点で培った技術力や生産ノウハウと、NVN現地社員の市場理解を融合させることで、日本と同様に総合的なソリューションを提供しています。
*お客様に販売したクーラント剤の廃液を有価回収、自社設備でリサイクルし、再び製品化・再販するビジネスモデル
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