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「第16回福井県科学学術大賞」を受賞:触媒技術による環境対応製品の開発-「キャタライザー型脱墨剤」の触媒技術の応用-
この度、当社が開発した世界初UV硬化型インク対応「キャタライザー型脱墨剤」が、「第16回福井県科学学術大賞」の選考において、最高位である「福井県科学学術大賞」を受賞いたしました。
当賞は、福井県内において科学技術の開発や学術研究に携わり、県の発展に貢献した人物を顕彰する制度として2005年に設立されました。その対象は、「物理」、「化学」、「生物」、「医学・生理学」、「経済」の5分野となっており、福井県版ミニ・ノーベル賞と位置づけられています。当社の受賞は第11回(2015年)の特別賞以来2度目、大賞は初の受賞となります。
【受賞概要】
・受賞者 日華化学㈱ 田中 多加志、豊原 治彦、中島 順市
・業績名 触媒技術による環境対応製品の開発 -「キャタライザー型脱墨剤」の触媒技術の応用-
・表彰式 2021年2月7日(日) 13:30~ アオッサ8階 福井県県民ホール
今回受賞に至った「キャタライザー型脱墨剤」は、省エネで生産性が高いことから増加しているUV硬化型インクが使用された雑誌や新聞、パンフレット等の印刷物の古紙リサイクルを、世界で初めて可能にした革新的な脱墨剤です。キャタライザーとは「触媒」を意味し、当社がこれまで培った界面科学と触媒科学の融合により、従来の界面活性剤の力に加え、触媒の働きを利用することで、これまで困難とされていた脱墨を可能にしました。また後工程でも薬剤の使用量を低減させることで、リサイクル工程のコストダウンにも寄与しています。
さらに、開発した触媒技術を様々な用途に展開し、リサイクル紙の品質低下の原因のひとつである、古紙に含まれる接着剤に対応できる「ピッチコントロール剤」をはじめ、6つの環境対応製品を開発。脱墨剤にとどまらず、これまでのアプローチとは異なった製品設計によりUV印刷物のリサイクル向上に継続的に取組み、福井発・世界初の技術で古紙全体のリサイクルを推進したことが評価されました。
主に開発を担当した田中は、60歳を過ぎてなお市場のニーズに応じ顧客の声を直接聞きながら粘り強く開発を続け独自技術を生み出し、その後も製紙業界のリサイクル化を促進する製品を次々に開発しており、その姿勢と情熱は若手社員のお手本であり刺激となっています。
関連リンク
・キャタライザー型脱墨剤の製品開発ストーリー
https://www.nicca.co.jp/productinfo/develop/pulp/uv.html