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デミ コスメティクスが、頭皮かゆみを抑制する成分を発見
当社 デミ コスメティクス 毛髪科学研究所は、紫外線照射や乾燥、花粉といった環境刺激を受けることでかゆみの発生につながる神経伸長因子(NGF:Nerve Growth Factor)に着目し、かゆみの抑制成分の探索を行った結果、メカブ抽出物・ヒジキ抽出物・納豆抽出物の混合物に頭皮のかゆみを抑制する効果があることを発見し、すでに特許出願および学会発表(第2回日本化粧品技術者会学術大会 2024年11月18~20日)を行っております。
■ 本研究のポイント
・環境刺激が表皮のNGFの発現を促進すること、NGFがかゆみを知覚する神経線維の伸長を促すことでかゆみを感じやすくなることに着目
・NGFを抑制する成分を探索し、そのかゆみ抑制効果を検証
・メカブ抽出物・ヒジキ抽出物・納豆抽出物の混合物がNGF発現を抑制し、頭皮のかゆみを抑制する効果があることを発見
■ 研究の背景
かゆみは、皮膚、粘膜、角膜のみで生じる特有の感覚で「引っ掻く欲望を伴う不快な感覚」と説明されており、頭皮に関する悩みでは年代や性別を問わず、かゆみが上位に挙げられています。また、頭皮のかゆみにより皮膚の正常性が損なわれ、抜け毛、毛髪のハリコシ低下などの原因となることが報告されています。かゆみによる掻破(そうは)行動が二次的に乾燥やバリア機能低下などの肌荒れ状態を引き起こすことで、さらなるかゆみを誘発し、かゆみスパイラルに陥ります。このかゆみスパイラルに対して、根本からケアするためのメカニズム解明と抑制対策が重要な課題となっています。表皮に発現するNGFの増加が、正常皮膚において表皮ー真皮境界部に収束している知覚神経線維の表皮内への侵入を促し、かゆみ誘発の一因になり得ることに着目しました。
■ 研究概要
本研究では、正常ヒト表皮角化細胞を使用して、NGF発現抑制効果を示す有効成分の探索を行いました。細胞に候補成分を添加し、その後NGF発現を誘導する環境刺激として、①紫外線照射、②乾燥、③花粉の各環境刺激を与えたのち、NGF発現量の測定を行いました。検討の結果、メカブ抽出物・ヒジキ抽出物・納豆抽出物の混合物が、①紫外線照射、②乾燥、③花粉の各環境刺激に対してNGF発現抑制効果を示すことを発見しました(図1)。
また、これら3成分を配合した頭皮用エッセンスの連用によるかゆみ抑制効果の検証を行った結果、頭皮のかゆみを改善する効果があることを確認しました(図2)。
なお、本研究成果で得られた機能性成分のかゆみ抑制効果において特許出願を行い、メカブ抽出物・ヒジキ抽出物・納豆抽出物の混合物の成果において学会発表を行いました。 研究内容の詳細については「補足資料」をご参照ください。
図1 環境刺激に対する機能性成分の組み合わせによるNGF発現抑制イメージ
図2 試験開始時を100%とした時のかゆみスコアの低減率
■ 今後の展開
日華化学では、本研究にて確認された成果を活かし、これらの組合せ成分を配合した多くの頭皮悩みを抱える人々に向けたスカルプケア商品の開発を目指します。
■ 日華化学株式会社 デミ コスメティクス「毛髪科学研究所」について
毛髪科学研究所は、1984年に設立してから約40年にわたり毛髪・頭皮の研究に取り組んでいます。日本人の毛髪・頭皮を科学的に分析・研究すると共に、薬剤や成分についても研究し、画期的な商品開発に繋げています。これまでに、ヘアケア剤、スタイリング剤、スカルプケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤などデミ コスメティクス独自の処方を数多く生み出してきました。 また、研究所内だけではなく各研究機関と共同研究、商品開発を実施したり、髪のスぺシャリストでもある美容師とも深く連携したりと、より良い商品をつくるため、深い探求を続けています。
https://www.demi.nicca.co.jp/hair_labo/
■ 補足資料
研究概要詳細など補足情報はこちら
関連リンク
・事業・製品情報 >化粧品 https://www.nicca.co.jp/productinfo/cosmetic.html
・デミ コスメティクスサイト https://www.demi.nicca.co.jp/