業界初の技術で、スタイルをキープし消臭する
デミ初のメンズブランド「ELEVATE」誕生。
2019年9月 取材
美容室向け頭髪化粧品事業のデミコスメティクスは、拡大する男性美容市場を背景に、20代後半~40代のビジネスパーソンをターゲットとしたメンズブランド「ELEVATE(エレベート)」を2019年5月に発売しました。シャンプー、カラーコンディショナー、スタイリング剤の計8アイテムをラインナップし、男性ならではの髪の悩みに応えます。研究開発に携わった二人に、商品の特徴や開発の経緯について聞きました。
藤井 義宣
デミ コスメティクス カンパニー
化粧品研究部
サブリーダー
町田 逸人
デミ コスメティクス カンパニー
化粧品研究部
主任
業界初「気になる時間」に効果
美容室専売品として複数のブランドを展開するデミで、ELEVATEは初の独立したメンズブランドです。「高める」を意味するブランド名が示すように、働く男性の清潔感を高め、見た目もキャリアもさらなる高みへと引き上げる―、これがコンセプトです。第1弾の商品群として、シャンプー、カラーコンディショナー、スタイリング剤をリリースしました。
皮脂をしっかり落としながらも頭皮にやさしい洗浄成分・デシルグルコシドを配合したシャンプーは、毛穴汚れやスタイリング剤をすっきり洗い流し、ボリュームの出やすい状態に髪を整えます。カラーコンディショナーは、染料が髪に吸着するメカニズムで、自宅で使用できるうえナチュラルに白髪をぼかしていけるのが特徴で、白髪染めをしていない方にも使用いただけます。
ワックス、ジェルなどのスタイリング剤は、業界初の技術「スタイルキープビーズ」を配合したことにより、長時間にわたって高いセット力と消臭効果を維持します。これは「午後から夕方にかけて頭皮のニオイが気になる」「時間が経つと皮脂によりスタイルが崩れてしまう」という男性ならではの悩みを解決するものです。
男性による男性のためのブランド
ELEVATEを立ち上げた背景には、メンズコスメ・スキンケア市場の拡大があります。成熟した美容業界にあって、美容室を利用する男性の増加もあり、メンズコスメ市場は2000年代に入ってから10年で約2倍の規模に成長し、今もそれが続く有望市場です。また男性客はリピーターとなる可能性が高いことから、美容室にとっては追加提案や店頭販売のアプローチをするチャンスが広がっています。
女性向け商品の開発で多くの実績と経験がある当社ですが、ELEVATEのターゲットは男性であることから、一般男性を対象にしたアンケート調査を行ったうえ、かねてから培っていた国内トップ美容室との協力体制をフル活用して美容師さんの意見を吸い上げ、コンセプトを決定したうえで商品開発に取り組みました。
研究開発チームの編成にも特徴があり、「男性による男性のための商品開発を」と、シャンプー、スタイリング剤などそれぞれ得意な剤型が異なり、ターゲット層と同世代の男性研究員4名がチームを組みました。これは女性研究員が多く活躍するデミでは珍しいケースです。ターゲット層に近い私たちが直接美容室を訪問して最新の情報に触れ、商品化のアイデアを出し、自らモニターとなって使い心地や機能を検証することで、技術をしっかりとユーザー視点での価値に落とし込めたと思います。一方で頭髪化粧品の重要な要素である「香り」は、男性の嗜好だけでなく、女性の意見も反映させました。またスタイルキープビーズは、福井県内の機能材料メーカーとの共同研究で生まれた機能性素材で、今回の開発は社外の技術も取り入れたオープンイノベーションの好例だと手応えを感じています。
ELEVATEは発売からまだ日は浅いのですが、私たちがこだわって開発した機能は、各美容室から高い評価をいただいています。私たちとしても、拡大する男性美容市場という、デミにとっての新たな領域を開拓できるツールを提供できたと自負しています。
2019年9月にはブランド第2弾として、スキャルプケアとフェイシャルケアのアイテムを投入します。それらに続く第3弾も構想中で、美容室を訪れる男性客の心を掴むブランドを育てるべく、取り組んでいきたいと思います。