産学官連携 - フェムトリアクター 人工核酸 -

お客さまと一緒に挑み、実現するソリューション。

お客さまの課題を現場で一緒に解決する。そんなソリューションの提供が、私たちの強みです。NIC というオープンな議論の場で、お客さまと意見を交わし、研究を繰り返し、協働しながら、課題にチャレンジしています。

毛髪科学研究所の試作室。開発した製品でパイロットスケールの乳化・調合等を行う。

毛髪科学研究所の試作室。開発した製品でパイロットスケールの乳化・調合等を行う。

クリーニング&メディカル事業では、医療機器の止血用鉗子で清浄度評価サービスを提供している。評価キットを医療機関で洗浄しNICCAで残留血液量を評価し、結果を報告する。

クリーニング&メディカル事業では、医療機器の止血用鉗子で清浄度評価サービスを提供している。評価キットを医療機関で洗浄しNICCAで残留血液量を評価し、結果を報告する。

振動の影響を抑えた精密分析室には、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)、核磁気共鳴装置(NMR)を設置している

振動の影響を抑えた精密分析室には、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)、核磁気共鳴装置(NMR)を設置している。

精密分析室に新たに設置された500MHzの核磁気共鳴装置(NMR)。30検体のオートサンプラーを有し、化学構造の解析に活躍している。

精密分析室に新たに設置された500MHzの核磁気共鳴装置(NMR)。30検体のオートサンプラーを有し、化学構造の解析に活躍している。

撥水処理布上の水滴。自動接触角計(Drop Shape Analyzer)による接触角の測定。

撥水処理布上の水滴。自動接触角計(Drop Shape Analyzer)による接触角の測定。

身近にある界面(境界面)の観察。泡時計(気体/液体)と水/油時計(液体/液体)。

身近にある界面(境界面)の観察。泡時計(気体/液体)と水/油時計(液体/液体)。

Open Innovation連鎖的な企業連携により進化する技術 「フェムトリアクター」。

●産業技術総合研究所×日華化学福井から広がるネットワーク。

NICCAは、界面科学・毛髪科学に加えて、第3のキーテクノロジーとしてナノテクノロジーの技術開発に取り組んでいます。産業技術総合研究所(以下、産総研)では、愛媛県と共同で開発したエレクロトスプレーによる糸の染色技術をさらに発展させるため、繊維加工の用途開拓を検討していました。連携企業を探して福井を訪れたことがきっかけで、産総研とNICCA、福井県工業技術センターがつながりました。ナノ銀粒子による繊維の導電加工で、科学技術振興機構(JST) A-STEP※シーズ顕在化タイプ(2013~2014年)のプログラムに採択されました。

A-STEPにて産総研とNICCAが共同で開発した、フェムトリットル(10-15L)の微小液滴をダイレクトに反応させる界面反応場型の技術は、“フェムトリアクター”と名づけられました。2015年からのNEDOエネルギー・環境新技術先導プログラム※の委託研究では、金属系ナノ粒子の量産化と粒子径・形態制御に挑んでいます。産総研との企業連携は6社となり、導電材料、顔料、量子ドット、触媒、高分子材料など多方面の研究開発が行われています。2018年6月には、NICでNEDO、産総研、企業6社が一堂に会する全体報告会を開催。フェムトリアクター技術の応用について議論を交わし、産業に革新をもたらす幅広い用途の開拓・普及を加速させています。

※A-STEP:文部科学省が実施する研究成果最適展開支援プログラム。
※NEDO:エネルギー・環境分野で、産学連携により革新的な技術の原石を発掘するプログラム。

フェムトリアクター試作型装置/原料を噴霧・ミスト化し、界面で反応させナノ金属を合成する。

フェムトリアクター試作型装置/原料を噴霧・ミスト化し、界面で反応させナノ金属を合成する。

ナノ金属合成実験の様子/界面科学技術により、ナノ金属の生産性を向上させる。

ナノ金属合成実験の様子/界面科学技術により、ナノ金属の生産性を向上させる。

産学連携で実現した北陸発の革新的技術「CNVシリーズ」。

●北陸先端科学技術大学院大学×日華化学×北海道システム・サイエンスコア技術が産学をつなぐ。

NICCAは、北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)と北海道システム・サイエンスの協力を得て、遺伝子の解析や操作ができる核酸試薬を製造し、研究開発用途に提供しています。JAISTの藤本教授らは、新たなインテリジェント核酸のコンセプトをもとに、新規核酸モノマーの合成に成功しました。しかしながら合成は多段階のプロセスを要し収率が低く、実用化検討のための試薬供給が困難という工業化の面での課題がありました。北陸発の革新技術を立ち上げたいという藤本教授らの熱意に応える形で、NICCAはコア技術である精密合成の技術を活かして、高品質・高収率の量産化を実現しました。CNVシリーズと名づけられたこのインテリジェント核酸は、光照射によってDNAと強固な結合を形成するという特徴があり、従来の弱い水素結合によるDNAとの結合と比べて遺伝子診断の精度を格段に向上させることができ、高性能遺伝子診断薬の実現に新たな可能性を拓きつつあります。こうしたインテリジェント核酸の合成技術は高く評価され、新たに名古屋大学大学院と北海道システム・サイエンスとの共同研究もスタートしました。2017年から科学技術振興機構(JST)のA-STEPシーズ育成タイプのプログラムに採択され、ライフサイエンスに貢献する革新的な研究開発が行われています。

JAISTが考案したCNVシリーズ/光照射により 遺伝子の結合(366 nm)、フェムトリアクター試作型装置/原料を噴霧・ミスト化し、界面で反応させナノ金属を合成する。 乖離(312 nm)を制御し、高精度遺伝子解析へ応用。

JAISTが考案したCNVシリーズ/光照射により 遺伝子の結合(366 nm)、フェムトリアクター試作型装置/原料を噴霧・ミスト化し、界面で反応させナノ金属を合成する。乖離(312 nm)を制御し、高精度遺伝子解析へ応用。

CNVシリーズの活用イメージ。

CNVシリーズの活用イメージ。

CNVシリーズ合成実験の様子/工程を最適・簡略化、安全かつ副反応を抑制した合成手法を実現。

CNVシリーズ合成実験の様子/工程を最適・簡略化、安全かつ副反応を抑制した合成手法を実現。