ダイカスト用離型剤の開発最前線


界面活性剤の源。アルキレンオキサイド、エチレンオキサイドなどの付加技術があります。

「界面活性剤」を活用することで、日華化学はさまざまな製品をつくりだしています。例えば洗剤、繊維加工や金属加工に使われる多様な薬剤、そして化粧品…。界面活性剤は製品づくりに欠かすことができない材料、いわば「製品のモト」なのです。そのためのコア技術が「AO付加技術」。その生産拠点が、2010年11月より本格稼動をはじめた茨城県鹿島工場に整備されました。これにより日華化学の界面活性剤生産能力は一段とパワーアップ。競争力にいっそうの磨きがかかりました。

アルキレンオキサイド、エチレンオキサイドなどの付加技術

 研究開発本部
AOプロジェクトグループ
プロジェクトグループ
研究員
杉本 昌繁

日華化学はいろんな製品をつくっています。その種類は約2千数百種類。衣料用のものから自動車産業や電子産業で使われるもの、化粧品に至るまで多種多様です。
これら製品の基礎原料の一つが「界面活性剤」であり、その中で最も使用量の多いものが非イオン界面活性剤です。乳化剤として使ったり、場合によってはこれにいろいろと手を加えたり、樹脂などの材料に導入したりすることで多様な製品をつくり出しています。  
ところで「非イオン界面活性剤」と言っても、その種類は千差万別。各種分野に応用するために、いろいろな成分・組成の非イオン界面活性剤が必要になります。
非イオン界面活性剤をつくり出す技術は、日華化学の製品づくりを支える"コア中のコア技術"なのです。   

非イオン界面活性剤をつくり出すためにもっとも大切な技術が、「AO付加技術」です。
右は界面活性剤の分子構造。油にくっつきやすい部分(親油基)と、水にくっつきやすい部分(親水基)で成り立っています。
もともと別々のものだったこの両者を、化学的に結合(付加)させるのがAO付加技術なのです。
なぜ二つの「基」が必要なのか?
例えば水と油を一緒にすると二層に分離します。この中に界面活性剤を入れると、 水と油の境界面(界面)でそれぞれくっつきやすい方向を向いて並びます。
次にこれをよくかき混ぜると、界面活性剤の分子が油を包み込み、小さな粒子となって水の中に分散します。
界面活性剤の働きの一つ、「乳化」です。
このように親油基と親水基があることで界面活性剤はいろいろな物質に働きかけられるのです。

「AO(アルキレン・オキサイド)」というのはエチレンなどの化合物を酸化して生じた物質の総称で、具体的には「エチレン・オキサイド(EO)」「プロピレン・オキサイド(PO)」「ブチレン・オキサイド(BO)」などの物質のこと。EOが主な親水基となります。親油基となるのは、例えばヤシ油やパーム油から誘導された天然物由来の高級アルコールなどです。これらを混ぜ合わせ反応させるとき、それぞれの種類や分量、あるいは触媒や微妙な添加物などを用いることで、出来上がる非イオン界面活性剤の組成を自由に変えられます。


例えば親水性の高い非イオン界面活性剤をつくりたいのならA→B→CのようにEOの付加量を変えます。また別の原料であるPOを付加することでさらに違った性能をつくり出せます。POの付加方法にもDのような規則正しいやり方もあれば、Eのようなランダムなものもあります。これらを自在にコントロールし界面活性剤をつくり出していく技術が「AO付加技術」であり、日華化学の半世紀以上にわたるノウハウがここに集約されているのです。

本年11月、鹿島工場が本格稼動を始めました。当社ではこの鹿島工場を「AO付加=非イオン界面活性剤生産」のための新拠点と位置づけています。本社の研究所と連携しながら新しい界面活性剤の開発を進めるとともに、NICCAグループの「界面活性剤の一大生産拠点」として機能させていく予定です。
鹿島工場AO付加プラントの最大の特徴は、世界でも初となる新生産方式を導入したこと。従来の生産方式から生産効率を数段向上させることができました。鹿島工場の竣工により、多品種少量ニーズに対応しながらも、同一品種大量生産への対応も強化してまいります。「優れた(新しい)製品は優れた(新しい)材料から」─日華化学の競争力が、また一段とパワーアップしました。

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