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開発最前線

少ない量で優れた効果 古紙のインキを強力除去!高機能脱墨剤を開発

日本で一年間に使用される紙の量は約3,000万トン(1人あたり約250kg)※。そのうち古紙の利用率は60%強※といわれています。
古紙のリサイクルにおいて欠かせないのが、紙に印刷されているインキを取り除く「脱墨(だつぼく)」と呼ばれる工程。
リポブライトDP−100シリーズは、少量でも優れた効果を発揮する脱墨剤として、全国の製紙工場から熱い注目を集めています。
※財団法人古紙再生促進センターの統計より

脱墨剤の開発者の声

研究開発本部
AOプロジェクトグループ
(2008年12月まで研究開発本部 消泡・脱墨グループ)
研究員 野川朋幸

「高温対応の脱墨剤がほしい」――というお客さまのニーズに応えようと開発をはじめました。2年以上の歳月を要しましたが、完成したリポブライトDP-100シリーズは、当初の予想を上回る性能となりました。少ない量で、高温はもちろん低温でも、優れたインキ除去効果を発揮します。
当社では、お客さまのプラントや処理方法に応じて製品をカスタマイズしています。またお客さまの工場に出向いての試用実験やインストラクションも行っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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Answer

脱墨剤とは…


パルプからインキだけを取り除く
古紙を再生する作業の中で「脱墨(だつぼく)」と呼ばれる工程があります。
その際に用いられるのが「脱墨剤」です。
まず回収された古新聞・古雑誌に温水、アルカリ薬、脱墨剤などを加え混ぜ合わせてドロドロの状態にします。次いで槽に空気を吹き込み泡を立て、その泡にインキだけを吸着させます。最後にインキを含んだ泡を除去(フローテーション工程)し洗浄を行って、きれいな再生パルプとしてよみがえらせます。
脱墨剤には、
@パルプ繊維からインキを剥がす
A装置に合った適度な泡をつくる
Bインキだけを泡に吸着させる
C汚れを再付着させない
などの機能が求められます。
これらの要件を満たしているのが、優れた脱墨剤なのです。
開発の経緯

日本は、1970年代のオイルショックを機に、古紙回収率の向上と再生技術の高度化に取り組んできました。今日では、古紙の回収率は約75%、古紙の利用率は60%超という、世界でもトップクラスのリサイクル先進国となっています。

けれども昨今、国内の古紙調達コストの上昇や、再生処理に必要なエネルギー(石油)価格の高騰などが問題となってきました。
「古紙再生にかかるコストをもっと削減できないものか」?これが日本の製紙メーカー共通の課題でした。

ここでひとつ問題となっていることがあります。「温度」です。従来の脱墨剤では、その機能を最大に発揮させるために、水温を約40℃に保たなくてはなりませんでした。そのため製紙工場では年中ボイラーを焚き、水温を一定にキープしています。

水温維持が難しいのは夏場や冬場です。プラントの温度を40℃に保つのは難しく、ついつい高温になってしまいます。従来の脱墨剤は、高温になると著しく効果が低下していました。
「夏場や温度の高い条件でも、キチンと機能を発揮する脱墨剤はないものか?」
あるお客さまから寄せられたそんな声に応えようと開発を始めたのがリポブライトDP-100シリーズでした。
 
リポブライトシリーズ開発

リポブライト開発のベースは、当社独自の“界面活性剤の技術”でした。
界面活性剤の水や油それぞれになじみやすい性質(親水基と親油基のバランス)や、温度(曇点[どんてん])によって溶液中の成分が分離する性質などをコントロールすることで、「高温でも十分な機能を発揮する脱墨剤」の開発を目指しました。
そして2年にわたる試行錯誤の末、高温域でも変わらぬ効果を発揮する製品の開発にこぎつけました。

リポブライトDP-100シリーズは、当初想定していた
@高温への対応性のみならず
A低温域においても、優れた効果を発揮する
B従来製品より2割使用量を減らしても効果には変化がない ※当社製品比
…など、数々の優れた効果を発揮しました。


※当社製品比

幅の広い温度領域で使えるため、ボイラーのエネルギー消費量を抑えることができ、しかもシビアな温度管理も不要。少量でも優れたインキ剥離・吸着・除去機能を発揮するため薬剤のコストダウンも図れる…こうしたメリットが評価され、全国の製紙工場から数多くの問い合わせが寄せられています。
 
 
今後の開発

日華化学では今日まで、製紙工場のプラントの種類や古紙の紙質・インキの種類などにきめ細かく対応した製品をラインナップ。今後さらに優れた機能の「リポブライト」の製品化に向け、日々の研究開発を進めています。
開発こぼれ話

豊かな「泡」でインキを吸着し、パルプから引き剥がします。だから「泡立ち」がいいことも、製品の重要な性能のひとつです。
リポブライトの試作品が完成し、ある製紙プラントで試用実験を行ったときのことです。従来の脱墨剤と同じ分量を処理槽に投入したところ――もくもくと泡が立ち上り、工場中が泡だらけに。
「まさかこれほどまでに泡立ちがいいとは…」と、その想定外の性能に開発者もびっくりしていました。


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